【11月19日 AFP】フランス議会は18日、イルカを使ったショーや、サーカスでのトラやライオン、クマなどの野生動物の使用を禁止する動物愛護法案を可決した。

 同法案は2000年から議論されていたもので、内容は広範に及ぶ。エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の署名を経て新法として成立すれば、2年後に野生動物のショーが、5年後にイルカのショーが禁止され、7年後には野生動物の所有自体が違法となる。

 ミンクの養殖農場は直ちに閉鎖される。また、動物を虐待した場合の最高刑を引き上げ、5年以下の禁錮刑と7万5000ユーロ(約970万円)の罰金とするほか、ペットの販売規制も強化する。

 サーカス関係者は法案に反発。一方で一部の環境保護団体は、内容が不十分だと批判している。

 法案には、農村部で昔から行われている狩猟や闘牛、ガチョウやアヒルへの強制給餌で肝臓を肥大させるフォアグラ農場など、論争の的となっていた分野は含まれなかった。環境団体は大規模畜産農場の環境改善も要求していた。

 世論調査によると、フランス人の大多数が法案を支持。同国ではすでに多数の自治体で、動物を使用したサーカスの巡業が禁止されている。(c)AFP/Anne Pascale REBOUL