【11月18日 AFP】米俳優アレック・ボールドウィン(Alec Baldwin)さんが主演映画の撮影中に銃を誤射し、撮影監督が死亡した事故で、撮影スタッフがボールドウィンさんに対して新たな訴訟を起こした。ボールドウィンさんが安全性を代償にして「ロシアンルーレットに興じることを選んだ」のが死亡事故につながったと主張している。

 ニューメキシコ州で撮影が行われていた低予算の西部劇『ラスト(Rust、原題)』の現場で、10月21日に撮影監督のハリーナ・ハッチンス(Halyna Hutchins)さんが撃たれて死亡した事故をめぐり、ボールドウィンさんを相手取った訴訟は2件目。

 事故発生直後に緊急通報をしたスクリプター(記録係)のメイミー・ミッチェル(Mamie Mitchell)さんは、主演・プロデューサーのボールドウィンさん、武器担当責任者のハンナ・グティエレスリード(Hannah Gutierrez-Reed)さん、助監督のデイブ・ホールズ(Dave Halls)さんら複数の関係者を、暴力行為、故意に精神的苦痛を与える行為、故意に危害を加える行為で提訴した。

 ロサンゼルスで記者会見したミッチェルさんの代理人のグロリア・オールレッド(Gloria Allred)弁護士は、「ボールドウィンさんが実弾の装填(そうてん)された銃を発砲するに至った出来事は、単なる過失ではない」と主張。「むしろ、われわれの見解では、ボールドウィンさんは銃の点検をせず、武器担当者の立ち会いもなしに発砲した時点で、ロシアンルーレットに興じることを選んだのだ」と述べた。

 この事故をめぐっては照明責任者のサージ・スベトノイ(Serge Svetnoy)さんが先週、ボールドウィンさん、グティエレスリードさん、ホールズ助監督の「過失と怠慢」が事故原因だとして3人を提訴している。(c)AFP