【11月18日 AFP】米国で今年1月に起きたドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領支持者による連邦議会襲撃事件で、上半身裸で角つきの毛皮帽子をかぶり議会に乱入した自称「シャーマン」の男に対し、裁判所は17日、禁錮3年5月の刑を言い渡した。

 米極右陰謀論「Qアノン(QAnon)」の支持者で、米国各地でトランプ氏支持集会に参加していたジェイコブ・アンソニー・チャンズリー(Jacob Anthony Chansley)被告(34)は、上院議場に侵入した際、マイク・ペンス(Mike Pence)副大統領(当時)の席に座り、「時間の問題だ。正義が訪れる」というメッセージを残していた。

 同被告は公判で、公的手続き妨害の罪を認め、「議会に入ったのは間違いだった。弁解の余地はない」と陳述。長時間にわたりとりとめのない発言を続け、判事を称賛したり、イエス・キリスト(Jesus Christ)やマハトマ・ガンジー(Mahatma Gandhi)、ブッダ(Buddha)、連邦最高裁判所のクラレンス・トーマス(Clarence Thomas)判事に言及したりした。

 被告は「自分は反乱者ではない。断じて国内テロリストではない」と主張。弁護人は、被告には長期にわたる精神疾患があると説明し、「彼には責任があり、責任を取る意思がある」と述べている。

 検察は禁錮4年3月を求刑していた。今回の量刑は、米議会襲撃事件をめぐり起訴された600人以上の被告に対しこれまで言い渡された中では、最も重いものとなった。他の被告の多くは米議会への不法侵入罪で軽微な刑を言い渡されているが、共謀や警察官への暴行などのより重い罪で起訴された被告の多くは、審理がまだ始まっていない。(c)AFP