中国政府を風刺した曲が大ヒット 国内のネット上では「抹殺」
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■NMSL
ある場面ではネームウィーが「君は怒るとNMSLって言うよね」と歌いながら、ピンクのプールでパンダと格闘している。
中国の愛国主義者と彼らが標的にするネットユーザーの応酬を見ている人々にとって、「NMSL」はよく目にするフレーズで、「お前の母さんは死んだ」という意味の中国語の頭文字を並べたののしり言葉だ。
■「くまのプーさん」
この曲の主なターゲットは中国の愛国的なネットユーザーだが、矛先は習近平(Xi Jinping)国家主席にも向けられている。
習主席は以前から児童書「くまのプーさん(Winnie-the-Pooh)」のキャラクターに似ているとやゆされており、検閲当局はこのキャラクターに関するネット上の書き込みをしばしば削除している。
ネームウィーは、インターネット規制に違反すれば「くまのプーさん」に消されてしまうかもしれないと歌う。さらに習主席のスローガン「共同富裕」という表現や、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)でイスラム系少数民族のウイグル人を収容している強制労働施設にも言及している。
■リンゴとパイナップル
ネームウィーは、「リンゴをのみ込み、パイナップルは切り落とす」とラップしている。
リンゴは香港で昨年施行された国家安全維持法(国安法)に基づき、廃刊に追い込まれた民主派日刊紙「蘋果日報(アップル・デーリー、Apple Daily)」を指しているとみられる。
中国は今年3月、台湾産パイナップルの輸入を禁止した。パイナップルは、そのことを例えている。ネームウィーとチェンの2人は、中国がいつか掌握すると宣言している台湾を現在、活動拠点にしている。