【11月17日 AFP】隣国ベラルーシから多数の移民が押し寄せているポーランドの国境地帯で16日、投石した移民に対して治安当局が催涙ガスや放水銃を使用した。ベラルーシは、ポーランドが問題を悪化させていると非難した。

 ポーランドは欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)の加盟国。ポーランド国境警備当局によると、同国とベラルーシの国境では現在、最大4000人の移民が極寒の過酷な状況下で野営している。

 欧米諸国は、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領がEUの分裂を狙い移民を国境に送り込んでいると非難。ロシアの関与も疑われているが、ベラルーシとロシアは欧米側の主張を否定している。

 ポーランド国防省は16日、国境での衝突の様子とされる動画をツイッター(Twitter)に投稿。「移民が兵士や警官を石で攻撃し、ポーランドに入るためフェンスを破壊しようとしている」とし、治安当局が移民鎮圧のため催涙ガスを使用したと説明した。

 ポーランド当局によると、この衝突で警察官、国境警備隊員、兵士それぞれ1人が負傷。警察は、警官隊が閃光(せんこう)弾(スタングレネード)や催涙弾も投げつけられたとしている。

 ベラルーシ外務省の報道官は、ポーランドが問題悪化を招いたと非難。「われわれはきょう、ポーランド側の直接的な挑発行為と、恵まれない人々への非人道的な扱いを目にしている」と述べた。

 ロシアも、移民に対する催涙ガスや放水銃の使用を非難。セルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は「絶対に受け入れられない」と述べた。(c)AFP