【11月16日 AFP】離婚した米夫妻が所有していた近代・現代アートコレクションが15日、米ニューヨークのサザビーズ(Sotheby's)で競売に掛けられ、総落札額が6億7600万ドル(約770億円)に達した。マーク・ロスコ(Marc Rothko)の絵が8240万ドル(約95億円)で落札されるなど、一つのコレクションの総落札額の最高記録を塗り替える見込みだ。

 コレクションは、2018年に離婚した不動産開発業者ハリー・マックロー(Harry Macklowe)氏とリンダ・バーグ(Linda Burg)氏が収集していたもの。

 第1弾となる今回は35作品が競売に掛けられ、全て落札された。うち5作品に5000万ドル(約57億円)以上の値が付いた。

 最高額は表現派の米画家ロスコの「No.7」で手数料など込みで8240万ドル、次いでアルベルト・ジャコメッティ(Alberto Giacometti)作の青銅製彫刻「鼻(The Nose)」。

 サザビーズによると、2作品はそれぞれ、オンライン形式で参加していたアジア人コレクター2人が落札した。

 ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)による、白と黒で描かれた米女優マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)の顔を九つ並べた「九つのマリリン(Nine Marilyns)」(1962年)は4730万ドル(約54億円)、ジャクリーン・ケネディ(Jacqueline Kennedy)を描いた「16のジャッキー(Sixteen Jackies)」は3380万ドル(約38億5000万円)だった。

 今回オークションに掛けられたのは全65作品のうち35作品のみで、残りは来春に競売が行われる。

 今回だけでも総落札額が6億7600万ドルに達しており、コレクション全体の落札額は2018年にクリスティーズ(Christie’s)が売却したロックフェラー(Rockefeller)コレクションの8億3500ドル(約950億円)を超えるとみられる。(c)AFP