【11月16日 AFP】ミャンマー国軍に半年間拘束されていた米国人記者ダニー・フェンスター(Danny Fenster)氏(37)が15日、カタールの首都ドーハの空港に到着し、拘束中に当局から虐待を受けたことはなかったと語った。

 地元英字誌フロンティア・ミャンマー(Frontier Myanmar)の記者だったフェンスター氏は5月、家族に会うため帰国しようとしたところを拘束された。同氏は先週、扇動罪などで禁錮11年を言い渡されたが、別の裁判を翌日に控えた15日に解放された。

 米国に向かう経由地のドーハでフェンスター氏は記者らに対し、理由もなく拘束されたが体調は良好で、「食事を与えられなかったり、殴られたりすることはなかった」と語った。

「時間がたつにつれ、一生このままなのかと不安が増した。正気を保つのが一番大変だった」

 ミャンマー国軍は、フェンスター氏の解放をめぐり、日本ミャンマー協会(Japan Mynamar Association)の渡辺秀央(Hideo Watanabe)会長と日本財団(The Nippon Foundation)の笹川陽平(Yohei Sasakawa)会長が関与したとしているが、詳細は明らかにしていない。

 ミャンマー国軍は2月、クーデターで実権を掌握。報道機関を弾圧してきた。監視団体「レポーティング・アセアン(Reporting ASEAN)」によると、これまでに100人以上のジャーナリストが拘束され、少なくともうち30人は今も拘束されている。(c)AFP/Anne LEVASSEUR