王大中氏 中国原子力エネルギー技術の代表者
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【11月16日 People’s Daily】中国国家科学技術奨励大会が11月3日、北京人民大会堂で盛大に開催され、清華大学(Tsinghua University)の王大中(Wang Dazhong)院士が国家最高科学技術賞を受賞した。
先ごろの9月12日、86歳の王氏は山東省(Shandong)栄成市(Rongcheng)石島湾で世界初の球床モジュール型高温ガス冷却炉(HTGR)原子力発電所の歴史的な瞬間を見届けた。それは午前9時35分、石島湾高温ガス冷却炉原子力発電所試験事業1号炉が初めて臨界状態に達し、同発電所は正式に「持続的核反応」状態に入った時のことだ。これは業界から公認された第4世代原子力エネルギー技術の優秀炉型の一つで、中国が固有の安全性を主な特徴とする先進的原子力エネルギー技術分野において、世界の先進レベルに達したことを示している。
60年余りの間、王氏はチームを率いて、中国が固有の安全性を主な特徴とする先進的原子力エネルギー技術の追随者、併走、そして、リーダーへと移り変わってきた成功の道を歩んできた。
燕山の麓にある虎峪村(Huyu)は、新中国が初めて自ら設計・建設した原子炉の立地だ。ここは何もないゼロからスタートした。遮蔽(しゃへい)実験用原子炉を建設するには、17の供給システム、数千の機械部品、20万メートルのパイプラインが必要となる。平均年齢23.5歳のチームには、海外留学の経験がある、本物の原子炉を見たことがある人は一人もいなかった。彼らはEM(エンジニアリング・モデル)から始め、何十台もの手回し計算機で設計し、計算した。6年を経て、やっと中国初の自主設計による原子炉である清華大学遮蔽実験用原子炉が建設された。王氏はエンジニアリング実践経験を持つチームリーダーに成長した。
1980年代初め、世界各国の原子炉研究はまだ安全性には焦点が当てられていなかった。しかし、王氏は固有の安全性に狙いを定め、球床モジュール型HTGRの研究に重点を置いてきた。当時、世界の原子力エネルギーの発展は衰退期に入っていたが、王氏の決心は揺るがなかった。彼は3つの決心をした。①球床モジュール型HTGRタイプ②小型実験炉からフルサイズ工業試験発電所への発展路線③自主革新の堅持──これらは中国のみならず世界のHTGR技術の発展方向に重要な影響を及ぼしている。
「キーテクノロジーの攻略は一足飛びにはできない」。研究チームは基礎研究からスタートし、2000年には世界初の安全性を持つ第4世代先進原子力エネルギーシステムである10メガワットHTGR実験炉を清華大学に建設した。研究開始からここまで14年も経っていた。「多くの仲間が、一生のほとんどを高温ガス炉事業に捧げた」と、王氏は語った。
数年前から、王氏は中国の将来のエネルギー供給と環境保護における原子力エネルギーの重要な意義を認識しており、実験炉から工業規模の原型炉への飛躍を実現することを提案している。2006年、「高温ガス冷却炉原子力発電所試験事業」は国家科学技術重大特別プロジェクトに組み入れられた。その核心プロジェクトの目標は、200メガワットの電力の高温ガス冷却炉原子力発電所試験事業を立ち上げ、第4世代原子力発電技術の発展のための基礎を確立することだ。この事業が、石島湾高温ガス冷却炉原子力発電所試験事業だ。
「中国の第4世代原子力発電技術における探索は、中国ひいては世界のエネルギー構造の最適化・アップグレード、生態環境の保護・管理により多くの『グリーンパワー』として貢献するだろう」。王氏の長年の同僚で、中国国家気候変動専門家委員会の何建坤(He Jiankun)主任は述べた。(c)People’s Daily/AFPBB News