【11月16日 AFP】米国は15日、国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士が「宇宙ごみ発生事象」によって一時避難準備を余儀なくされ、調査を進めていると明らかにした。

 これに先立ち、ロシアが衛星攻撃兵器(ASAT)の実験を行ったとの報告があったが、確認は取れていない。宇宙産業界からは、武力の誇示は地球低軌道上の宇宙飛行士を危険にさらすとの批判が出ている。

 米宇宙軍は、宇宙空間でのごみ発生事象について把握していると発表。「ごみの分布を積極的に調査しており、宇宙に関与する全ての国が衛星操作に必要な情報を確保できるよう、活動を続けていく」と述べた。

 一方、ロシア国営宇宙企業ロスコスモス(Roscosmos)は問題を重大視しない姿勢を示し、「宇宙飛行士が正規の規定にのっとり宇宙船への移動を余儀なくされた物体の軌道は、ISSの軌道から離れた」とツイッター(Twitter)で説明した。

 アントン・シュカプレロフ(Anton Shkaplerov)飛行士もツイッターに、「万事通常通り」と投稿した。

 宇宙情報サイト「スペースフライト・ナウ(Spaceflight now)」によると、米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)の宇宙飛行士は安全のため、スペースX(Space X)の宇宙船クルードラゴン(Crew Dragon)に、またロシアクルーは宇宙船ソユーズ(Soyuz)に移動したという。いずれも、緊急時に宇宙飛行士を地球に帰還させる救命船として使用される。

 米宇宙産業分析企業セラデータ(Seradata)はツイッター上で、ごみはミサイル実験によって発生した可能性があると指摘している。(c)AFP/Issam AHMED