【11月15日 AFP】ミャンマーで身柄を拘束され、禁錮11年の有罪判決を言い渡されていた米国人ジャーナリスト、ダニー・フェンスター(Danny Fenster)氏(37)が、「恩赦」を受けて釈放され、国外へ追放された。ミャンマー国軍が15日、発表した。

 この発表によると、元米国連(UN)大使のビル・リチャードソン(Bill Richardson)氏および日本の特使2人との交渉を経て、フェンスター氏は「人道的見地」から恩赦を受けた後に釈放された。

 地元英字誌フロンティア・ミャンマー(Frontier Myanmar)に約1年にわたり勤務していたフェンスター氏は5月、家族に会うため帰国しようとした際に逮捕された。

 同氏は先週、教唆罪などで禁錮11年の判決を受けていた。16日にも扇動とテロの罪で出廷する予定で、終身刑に処される可能性もあった。

 だが15日、ミャンマー国軍報道官はAFPの取材に対し、フェンスター氏は釈放され、国外に追放されると明かした。

 リチャードソン元米国連大使の事務所リチャードソン・センター(Richardson Center)によると、同氏とミン・アウン・フライン(Min Aung Hlaing)国軍総司令官による「直接交渉」の結果、フェンスター氏の釈放が決まった。同氏はカタール経由で1日半かけて米国に帰国するという。

 ミャンマー国軍は、2月にクーデターで政権を掌握して以来、報道機関に対する締め付けを継続し、反体制派の弾圧に批判的なジャーナリスト数十人を逮捕している。現地の監視団体によると、この弾圧で1200人以上の死者が出ている。(c)AFP