【11月15日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領(76)は15日、2022年上院議員選への立候補を締め切り直前に届け出た。一時は政界引退を表明していたが、大統領の任期満了後も政界にとどまる意向を示した。

 AFPが確認した文書によると、ドゥテルテ氏は立候補期限のわずか数分前に選挙委員会に出馬を届け出た。フィリピン大統領の任期は1期6年限りで、再選は憲法で禁じられている。

 これに先立ち13日、ドゥテルテ氏の長女で南部ダバオ(Davao)市長のサラ(Sara Duterte)氏(43)が、周囲の予想を覆して2022年副大統領選に立候補。ドゥテルテ氏も先に副大統領選出馬を示唆していたことから、父娘対決の可能性が取り沙汰されていた。

 マーティン・アンダナール(Martin Andanar)大統領報道官は13日、地元メディアに「(大統領は)15日に副大統領選への立候補を届け出ると語った」と述べていた。

 サラ氏をめぐっては、再選が不可能な父の後継として大統領選に立候補し、多数の死者を出している麻薬取り締まり関連の国内での訴訟や国際刑事裁判所(ICC)の捜査から父をかばうのではないかと広く予想されていた。

 想定外のサラ氏の副大統領選出馬により、大統領選では故フェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)元大統領の息子、フェルディナンド・マルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr)氏が当選する可能性が高まっている。(c)AFP