【11月16日 東方新報】中国・上海で5~10日、第4回中国国際輸入博覧会が開催された。毎回、輸入博の「大口参加者」である日本からは、今年も約300の企業・団体が出展。展示面積はこれまでより400平方メートル拡張した。日立製作所(Hitachi)やパナソニック(Panasonic)など大企業の「常連組」や中小企業128社、さらに「ニューフェース」の約50社が参加した。

 新型コロナウイルスの流行で日本の中小企業は大きな打撃を受けている。今年8月のデータによると、日本の中小企業の70%近くは売上高がコロナ禍以前のレベルに戻っていない。この状況を切り抜けるため、海外に活路を開こうとする中小企業が増えてきている。今年5月に海南省(Hainan)で開かれた第1回中国国際消費品博覧会では、日本の中小企業が高品質の製品を展示した。国際輸入博覧会はその影響力と吸引力で消費品博覧会をさらに上回っている。2018年から2020年に行われた3回の輸入博で契約・合意された金額は578億3000万ドル(約6兆5839億円)、711億3000万ドル(約8兆982億円)、726億2000万ドル(約8兆2678億円)に上った。ますます多くの企業が輸入博を「ジャンプ台」とし、上海を中心とした長江デルタ経済圏や中国南部の珠江デルタ経済圏に進出し、中国市場への浸透を図っている。

 人口14億人を擁し、中間所得層が4億人を超える中国は新型コロナウイルスの拡大後、世界で最も急速に経済が回復している地域だ。生活の多様化、個性化が進み、高品質製品の需要が高まっている。特にコロナ禍で健康・衛生製品に対する需要の高まりは、日本企業にとって大きなビジネスチャンスだ。日本貿易振興機構(JETRO)の調査によると、日本企業の56.7%が「輸出拡大を望む国・地域」として中国を選んでいる。その中で国際輸入博覧会は中国の消費者・企業と日本の中小企業の架け橋を築いていた。日本の中小企業がブランド力を磨いて中国の消費者ニーズを満たし、中国に生産拠点を確立するためのパートナーと出会う機会にもなっている。日本の食品や農産物のPRする出展者は「第1回輸入博覧会と比べて売上高が5倍になり、店舗5店をオープンした」と話す。健康食品を中国に輸出すると同時に、日本のライフスタイルや食文化も中国に広めているという。

 日本貿易振興機構上海事務の水田賢治(Kenji Mizuta)所長は「輸入博覧会は巨大な磁場のようなものです。世界中の企業にワンストップ方式のプラットフォームを提供しており、日本企業が中国に進出するためにも最適なプラットフォームです」と話している。

 博覧会会場では、すべての日本企業のブースが中国企業との迅速なコミュニケーションを図るためタブレット端末を使用。中国企業と恒常的な交渉を続けていくため、中国版LINE「微信(ウィーチャット、WeChat)」のアカウントを提供していた。また、製品の横に置いたQRコードをスキャンすると、展示品をオンラインですぐ購入できるように工夫した。来場者のニーズを販売実績につなげるためデジタル化を加速し、情報のフィードバックや製品の改善にもつなげている。

 2021年は、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟して20年となる。この20年は、中国が改革開放政策を推進して急速な発展を遂げ、世界との結びつきを深めた年月である。中国の格言に「見出以知入、観往以知来(出て行くものを見て入ってくるものを想定し、過ぎ去ったことを観察し、次に起こることを察知する)」という言葉がある。中国はこれまで経済のグローバル化の推進者であり、今後も経済の開放性・寛容性の理念の実践者であり続ける。輸入博覧会は、中国が世界に向けた窓口の一つであり、中国の発展を世界と共有するためのプラットフォームでもある。中国の「開放という名の急行列車」には日本の中小企業も乗り込み、大いなる天地に向かうことができる。(c)東方新報/AFPBB News