【11月16日 Xinhua News】米コンサルティング大手のマッキンゼー・アンド・カンパニーはこのほど、「今後10年で中国の消費を増加させる五大トレンド」と題したリポートを発表した。購買力平価に基づけば、中国は世界一の消費大国になる可能性があると指摘し、今後の10年間も中国が世界の消費増加への寄与率で主導的地位を保ち、世界の消費の増加分の約4分の1を占めるとの見通しを示した。

 五大トレンドについては、次の内容を掲げた。

 ①中国の新興消費者層が世界の多くの消費財の成長エンジンになる。中国では2030年に中高所得世帯数が約4億に増え、これらの世帯が今後10年で中国の消費増加をけん引する主力になる。30年には都市消費の6割を中高所得者が担い、その他の2割を所得のより高い消費者がもたらすようになる。

 ②都市の消費者は一線都市(上海、北京、広州、深圳)に集中するが、一線都市以外の都市が今後の動力源になる。将来の消費の増加の約9割は都市で生み出されるが、都市により消費市場の差が大きくなる。

 ③消費者意識の変化が国産ブランドの成長を主導している。消費者の国産ブランドに対する支持が、一部の国内企業の興隆を導いた。日用品・電子機器市場では国産ブランドのシェアが拡大しており、50%を超えた。

 ④デジタル化された消費者が大量のデータプールを生み出している。中国のデジタルエコシステムは活気に満ちており、国家経済に占める割合も着実に拡大している。中国のテック企業はビジネスモデルの刷新に力を入れ、中でも多種多様な電子商取引(EC)やデジタル決済、フードデリバリー、医療・ヘルスケア、モビリティサービスなどで結果が現れている。消費者もデジタルイノベーションを試そうとする意欲を維持し続けている。 

 ⑤新たな市場消費曲線が形成され、中国企業は変化の最前線に立っている。ビジネスモデルの刷新と技術主導による単位コストダウンやこれまでにない購買行為などの影響が重なる中、中国市場の消費曲線は変化が生じている。中国のテック企業はこうした曲線変化の世界の最前線に立っている。(c)Xinhua News/AFPBB News