【11月16日 People’s Daily】高い搭載能力と搬送機能を備えた宇宙ステーションのロボットアーム、自律的に仕分け・識別・組み立てを行うスマートロボット、遠隔操作で患者の負担を減らす低侵襲手術を行う手術ロボット、1000度の高熱環境で作業ができる消防用ロボット…。9月に中国・北京で行われた2021年世界ロボット大会では、さまざまなロボットが発表された。現在、ロボットは形式も機能も絶えず進化し、生産現場や生活のあり方を変えている。

 ロボットの開発、研究、応用能力はその国の技術開発や製造業のレベルを表している。産業ロボットは反復性や精密度に優れ、低温、高温、有毒といった危険な環境でも作業が可能だ。生産効率の向上や人件費の削減だけでなく、産業界のインテリジェント化、スマート化を促進している。近年、中国の産業用ロボットは急速に拡大し、129の産業分野で広く使用されている。今年1~8月、国内の産業ロボットの生産台数は前年同期比で63.9%増となり、中国の製造業のデジタル化とスマート化を加速させている。

 ロボットはサービス業でも良き助っ人として活躍している。スーパーやホテルでの案内ロボット、家庭のサービスロボット、診断や治療を支援する医療用ロボット、教育支援ロボットなどますます多くの分野でロボットが登場している。新型コロナウイルス対策として非接触型配送ロボットや消毒・温度計測ロボットも普及している。

 ロボットは幾多の産業に力を与え、中国の巨大な市場を支援する欠かせない存在だ。また、ビッグデータやクラウドコンピューティングなどの新技術との融合を加速させ、機械学習や生体工学などの最先端技術と組み合わせることで、ロボットはさらにその知能を高めることができる。

 無から有を生み、弱者から強者に進化するプロセスを経て、中国のロボット産業は総合的な産業チェーンを形成し、世界のロボット産業を支える重要な力となっている。しかし、中国のロボット産業はまだ発展の初期段階にあり、多くの重要なコア技術ではさらなるブレークスルーが必要とされている。ロボット産業の基礎研究と技術開発を強化・継続していくことで、「メード・イン・チャイナ」を「スマート・チャイナ」に高めていくことが求められている。(c)People’s Daily/AFPBB News