■消滅しつつある仕事の最後の生き残り

 メフメト・トクタス(Mehmet Toktas)さん(49)はこの仕事を週6日、30年近く続けてきた。日々、8階建てのビルの階段を荷物を持って上り下りすることで体格はレスラーのようになったが、稼ぎは年々減ってきている。

 このビルには、トクタスさんのような運搬人を頼りにする業者が100以上入っている。エレベーターのない狭い廊下だけの古い建物では、車輪付きの普通のカートは使いものにならない。

 トクタスさんは1階のネオンの薄明かりの中、消滅しつつあるこの仕事の最後の生き残りのように自らを感じている。業者はもっと便利な場所に移り、仲間はこれほど過酷でない仕事を選ぶからだ。

「以前、ここには4、5人の仲間がいたが、年をとってみんな辞めてしまった。今は自分一人だ。稼ぎももっと良かった」とトクタスさん。「今は仕事の量が減って、前ほどの稼ぎはない」

 トクタスさんによると、彼より年上の運搬人はみな、膝や背中の手術をしている。

 この地区の運搬人の中には、老人のような見た目の人もいる。髪は白く、脚は竹馬のように細い。

 軟骨の損傷やヘルニアに苦しみながらも、何人かはこの仕事を70歳になるまで続けている。

「10年か15年後には、この仕事はもうなくなっているだろう」とトクタスさんは語った。(c)AFP/Remi BANET