【11月13日 AFP】ベラルーシとロシアは12日、ベラルーシ西部の対ポーランド国境付近で合同軍事演習を行い、その際の降下訓練中にロシア側の空挺(くうてい)部隊員2人が死亡した。ロシア国防省は、強風で落下傘が機能しなかったことが原因だとしている。国境付近には中東などからの移民が押し寄せ、緊張が高まっている。

 ベラルーシ国防省によると、同国西部で訓練を実施したのは両国軍の空挺部隊の「合同大隊戦術グループ」。

 実施の理由についてベラルーシ国防省は、西部国境での「軍事活動の強化」のためと説明。ロシア国防省は、合同演習に空挺部隊を派遣したのは「戦闘への即応性を確認」する一環だったとしている。

 ベラルーシとポーランドの国境では、クルド人を中心とする多数の難民が氷点下近い気温の中で数日間立ち往生しており、支援団体は人道上、悲劇的な結果になりかねないと警鐘を鳴らしている。

 欧州連合(EU)はベラルーシに対し、反体制派への弾圧を理由に経済制裁を科している。欧米諸国は、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領が制裁への報復として、中東から呼び寄せた移民をポーランド国境に送り込んでいると非難している。(c)AFP