【11月12日 AFP】イスラエルは11日、新型コロナウイルスの致死性が高い新たな変異株の流行を想定した軍事演習さながらの「対応訓練」を世界で初めて実施した。

 新たな変異株を「オメガ株」と想定。訓練名も「オメガ」作戦と名付けられた。エルサレム(Jerusalem)にあり、核爆発にも耐えられる「国家管理センター(National Management Center)」で行われ、市民や軍関係者が参加した。

 首相府によると、ワクチンの大規模接種、夜間外出禁止令、入国制限などのさまざまな対応を訓練した。

 首相府は「イスラエルは良好な状況にある。第4波に打ち勝ちデルタ株は収束に向かっている。だがわれわれは常に先を見据えており、気を緩めていない」と述べた。

 ナフタリ・ベネット(Naftali Bennett)首相は国家管理センターを訪問し「(最大の脅威は)ワクチンに耐性のある、より危険で感染力の強いデルタ株の亜系統が突然発生することだ」と語った。

 訓練については「実際の状況をシミュレーション」することを目的とした「世界初の試み」だと説明した。

 人口約900万人のイスラエルは世界に先駆けて大規模なワクチン接種を開始。これまでに約80%が2回目を、390万人以上が3回目を終えた。1日当たりの新規感染者数は8月末から9月初めにかけて1万人以上が確認されたが、その後数百人程度に減少している。(c)AFP