【11月11日 AFP】タイの憲法裁判所は10日、王室改革を訴えた抗議デモの指導者3人が行った演説について、立憲君主制の転覆を企てたものであり、憲法に違反していると判断した。3人は反逆罪で起訴される恐れがある。

 莫大(ばくだい)な資産と社会的影響力を持つタイ王室は、15年以下の禁錮刑が科される不敬罪によって批判から守られている。

 パナッサヤー・シティジラワッタナクン(Panusaya Sithijirawattanakul)氏は昨年8月、大規模な街頭デモで、王室財政の透明化や不敬罪の廃止など10項目の要求を読み上げた。

 パナッサヤー氏の演説と、アノン・ナムパー(Anon Numpa)氏とパーヌポン・ジャートノーク(Panupong Jadnok)氏がタマサート大学(Thammasat University)の集会で行った演説は、タイにおける言論の自由の試金石となった。

 憲法裁判所は、3人の演説を「立憲君主制の転覆を狙ったもの」で「権利と自由を乱用し国の安全を損なうもの」と判断した。

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)のスナイ・パースック (Sunai Phasuk)上級研究員はAFPに対し、今回の判断は王室改革を求める運動を事実上禁止するものだと指摘。「死刑を科される反逆罪など、これまで以上に重い罪に問われる可能性が出てきたことも懸念される」と述べた。(c)AFP