【11月17日 AFP】朝鮮半島と中国の間に横たわる黄海(Yellow Sea)で、くまなく監視を続けるフランス海軍の哨戒機──。北朝鮮に向かう禁制品を見逃さないよう見張っている。

 このチームは、国連(UN)の対北朝鮮制裁を執行する国際的な任務の一翼を担い、沖縄にある米軍普天間飛行場(MCAS Futenma)から偵察飛行をしていた。任務は5日に終了した。

 不正行為の疑いがある船舶の情報を国連に送ってもらい、それに基づき飛行計画を練るのだと説明するのは、チームリーダーで海軍少佐のギヨーム氏だ。フルネームを明かすことはできない。

「ファルコン200(Falcon 200)」に搭乗した6人編成のチームが頼りにするのは、機上のレーダーと、付近を航行中の船舶に備えられた船舶自動識別装置(AIS)だ。AISは船名や航路などの情報を自動的に送受信する。

 それでも、最良の手段は今なお目視による観測だ。2人の乗員が機内の窓から双眼鏡で海上を監視しながら写真を撮る。

「われわれは、この地域で国連の目の役割を果たしている」とギヨーム少佐は言う。

 突然、チームが警戒態勢に入った。1隻の船がAISの電源を切っていた。不審行為と見なされる動きだ。

 パイロットが針路を変更した。機体の高度を150メートル以下に下げ、不審船に2回接近。船名を調べるために船尾を確認し、船員との無線連絡を試みた。

 飛行前にギヨーム少佐はチームに対し、不審な行為には「友好的でプロフェッショナルな対応を取ること」が重要だと念を押していた。

「この地域での国際的な緊張関係を考慮して、状況が悪化することは何としても避けなければならない。毅然(きぜん)としながらも礼儀正しい態度を取るべきだ」