■「最後の一歩のところを徹底」

 現役時代にも川崎でプレーした鬼木監督は2006年に引退してから同クラブで指導者を務めてきたが、そのうちの長い間、川崎は頻繁にタイトル争いをしているものの、いつもあと一歩のところで優勝を逃すチームとして知られていた。

 これについて中村氏は、鬼木監督が選手に「最後の一歩のところを徹底して」要求したと評価している。

「優勝したことで空気が本当にガラッと変わった」と振り返った中村氏は「自分たちが1年間やってきた取り組みというのが正しいものだったんだと分かりました。優勝しないと、勝つチームの空気は分かりませんでした」と続けた。

 今季のチーム内得点王はここまで18得点を挙げているブラジル出身のFWレアンドロ・ダミアン(Leandro Damiao da Silva dos Santos)だが、頭角を現している選手は他にも数人いる。

 攻撃的な左SBの旗手怜央(Reo Hatate)はW杯カタール大会(2022 World Cup)に向けた今月のアジア最終予選で日本代表に初選出され、右SBの山根視来(Miki Yamane)も今年A代表デビューを飾った。

 川崎ではGK鄭成龍(Jung Sung-Ryong、チョン・ソンリョン)や家長昭博(Akihiro Ienaga)といったベテラン選手が再びその存在感を証明しており、鬼木監督は若さと経験のバランスを見いだしている。

 この冬も欧州クラブが川崎の選手に触手を伸ばす可能性は高いが、中村氏は未来が常に順風満帆ではないと理解している。

「過去に黄金期を築いたクラブはたくさんありますけど、どのチームも一度は調子を落とす時期がくるので、その落差をどれだけ最小限に抑えられるかというところはポイントです」

「タイトルを取れない年もおそらくくると思うので、その時にどう振る舞うか準備をしておかないといけないと思います」 (c)AFP/Andrew MCKIRDY