【11月10日 AFP】スキージャンプの世界で有数の実績を残してきた高梨沙羅(Sara Takanashi)は、五輪の金メダルにいまだ手が届いていない。来年2月の北京冬季五輪を前に、高梨は過去の五輪では「雰囲気にのまれた」ことを認めた。25歳の高梨にとって、北京は三度目の正直を達成し、五輪の魔物に打ち勝つことを目指す大会になる。

 高梨はAFPに対し、「五輪のメダルは一応持っているんですけど、目指すところは金メダル」と話した。

 銅メダルを獲得した2018年平昌冬季五輪以降、ジャンプの技術を一から磨き直したと明かした高梨は、「成長した姿を見てもらうというの目標にやってきているので、その後は結果がついてくると思います」とコメントした。

 高梨は、ジャンプW杯では通算60勝、個人での表彰台入り109回という世界記録を持ち、総合優勝も4回果たしている。ところが五輪の舞台では期待に見合った成績を残せておらず、本人もそのことには悔しさを感じている。

 スキージャンプ女子が初採用された2014年のソチ冬季五輪では、金メダル間違いなしと言われながら、まさかの4位。4年後の平昌大会も、女子最多のW杯勝利数を誇りながら、結果は3位だった。

 高梨は、ソチ五輪では「完全に雰囲気にのまれ」、調子が最高ではなかった平昌五輪では、メダル獲得にうれしさよりもホッとするのを感じたという。

 高梨は「自分のジャンプスタイルというものもそうだと思いますけど、そこに没頭できていなかったというのはあると思います」と振り返り、「平昌のときは自分のすべての力を出して、その結果ではあったんですけど、自分のジャンプというものには集中し切れていなかったように思います」と続けた。