【11月10日 AFP】世界保健機関(WHO)は9日、2022年に世界で最大20億本の注射器が不足する恐れがあると警告した。生産態勢を強化できなければ、世界のワクチン接種に支障が出る恐れもある。

 新型コロナウイルスワクチン接種のために世界の注射器の消費量が平時よりも数十億本多くなっているが、供給量が追い付いていない。

 WHOのシニアアドバイザー、リサ・ヘドマン(Lisa Hedman)氏は記者会見で、新型コロナワクチンの供給増に合わせて注射器も増産する必要があると指摘した。

 ヘドマン氏は「ワクチンの接種状況にもよるが、注射器が10億~20億本不足する恐れがある」と述べた。

 注射器が不足すれば、定期的な予防接種の遅れといった深刻な事態を引き起こす恐れがあり、注射器や針の再利用という危険な行為にもつながりかねない。

 AFPの統計によると、世界で新型コロナワクチンは72億5000万回以上接種されている。定期的な予防接種の2倍近くに当たり、注射器も同じ数だけ必要となる。

 ヘドマン氏は、買いだめやパニック買いを防ぐために事前に必要な量の注射器を確保するよう各国に呼び掛けた。(c)AFP