中国の新職業「人工知能訓練士」 AIを「一人前」に育てるプロフェッショナル
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【11月13日 People’s Daily】人工知能(AI)訓練士は、近年のAI技術の普及に伴い誕生した新しい職業だ。その仕事は、AIを「教育」し、人のためにより良いサービスを提供させることだ。データの分析や順番付け、アルゴリズム(計算方法)の選択と最適化、そしてAIのトレーニング、プログラム設計など、すべてがAI訓練士の業務となる。
中国ではAI訓練士という概念が生まれて以降、わずか4年で新職業に公認された。現在、国内のAI訓練士は20万人を超え、2022年には国内外で500万人に達すると予想されている。
北京のデータインテリジェンス企業「海至科技」に勤務する若き女性AI訓練士、魏子沐(Wei Zimu)さんは「私は現在、金融プロジェクトチームに所属し、銀行システムを巡る詐欺やマネーロンダリング(資金洗浄)の防止、融資後のリスク管理のため、AIを使ったリスク評価・予測をしています」と説明する。
銀行が扱うデータは非常に膨大な上、データシステムがどのように開発され、どんな特徴があるか、事前に理解しなければならない。AI技術の習得以外に、金融ビジネスの実務を理解する必要がある。魏さんは「データの分析と同時に、最も重要なことはアルゴリズムの選択です。自分が選んだ計算方法がデータ自体の法則に近ければ近いほど、予測結果の精度が高くなります」と話す。
適切なアルゴリズムを選択した後、魏さんはデータを入力し、AIを「育てる」難作業に入る。魏さんによると、その過程は木の成長に似ているという。最初は1本の幹が伸び、徐々に枝が生え、さらに細かく枝分かれした末に大きな樹木に成長していく。AIも入力されたデータをアルゴリズムに基づき学習し、自動的に計算ステップを進んでいく中で「イエス」と「ノー」の選択を繰り返す。そうして一連の意思決定プロセスを形成していく。
「私と他のAI訓練士が同じデータとアルゴリズムを使ったとしても、ビジネスへの熟知度が違えばAIを学習させる際の設定とパラメーターが異なるため、最終的な分析能力は異なります。エンジニアの技術水準や企業のコア技術、業界に対する知識の蓄積の度合いが大きく左右します」
魏さんが取材用にシミュレーションを行うと、「スコアカード」が表示され、どのような人が返済延滞のリスクが高いか、銀行はどのように対応すべきかがグラフで示された。AIは金融リスクの管理、サービス向上、コスト削減などに役に立っている。
今年で26歳の魏さんは昨年、数学の修士課程を修了したが、今も学び続けている。「優れたAI訓練士になるためには、数学とコンピューターのスキルに加えて常に知識を更新していく必要があります」と話している。(c)People’s Daily/AFPBB News