【11月9日 AFP】欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)の加盟国ポーランドは8日、ベラルーシから不法越境する移民数百人を阻止したと発表した。さらに数千人が国境に向かっており、不法越境者が武装する恐れもあるという。

 ベラルーシに対しては、米国が欧州への「組織的な移民流入」をやめるよう求める一方、EUは新たな制裁を検討している。EUは、ベラルーシがEUによる経済制裁への報復として中東などからの移民をポーランドに送り込んでいると非難している。

 NATOも8日、ベラルーシが移民を政治の駒にしていると批判した。

 ポーランド国防省はツイッター(Twitter)で「兵士と内務省の部隊が大規模な不法越境の試みの第一弾を阻止した」と発表した。「移民はクジニツァ(Kuznica)地域にキャンプを張り、ベラルーシ当局に常時警護されている」

 ポーランド国境警備隊がツイッターに投稿した映像には、暴動鎮圧用装備をした同国当局者が警備に当たる中、ワイヤカッターなどを使って国境に設置された有刺鉄線の柵を破ろうとする移民が映っている。

 ポーランド政府のピオトル・ミュラー(Piotr Muller)報道官は記者会見で、国境近くには移民3000~4000人がいると説明した。さらに「近い将来ポーランド国境でこの種の行動がエスカレートする可能性がある」として、そうなれば不法越境者が武装する恐れもあると述べた。

 ミュラー氏は不法越境を画策したとして「ベラルーシの特殊部隊関係者」を非難した。(c)AFP/Mary SIBIERSKI and Bernard OSSER