【11月9日 AFP】スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)を率いることになったシャビ・エルナンデス(Xavi Hernandez)新監督のお披露目イベントと就任記者会見が8日、本拠地カンプ・ノウ(Camp Nou)で行われ、新指揮官は選手に対して自身のやり方に従い、水準を高めるよう求めた。

 約1万人のファンの前でお披露目されたシャビ新監督は、家族やジョアン・ラポルタ(Joan Laporta)会長と共にピッチ上で契約書にサインした。

 現役時代、リーグ戦を8度制し、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)でも4度の優勝を果たした古巣に復帰した41歳のシャビ新監督は、熱狂的なサポーターの「シャビ、シャビ」というチャントに出迎えられた。

 ラポルタ会長は「きょうはバルサ(バルセロナの愛称)にとって歴史的な日になるだろう」と話した。

 クラブに10億ユーロ(約1300億円)以上の負債があるにもかかわらず、シャビ新監督は古巣を欧州のトップクラブに戻し、故ヨハン・クライフ(Johan Cruyff)氏とジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)氏に最も結びつくサッカースタイルを取り戻すという任務を負うことになった。

 しかし、プレゼンテーションイベントの後に行われた記者会見でシャビ新監督が話した主題は、スタイルよりも中身についてで、秩序の回復が最優先だと強調した。

「最初はチーム内にルールを設定するのが大切。それが第一のポイント」と話したシャビ新監督は、「それから価値観や敬意、態度、努力について話し合う。こうした価値観を持っていなければ、チームにはならない」と続けた。

「そしてその後は、どのように守備と攻撃をするかというプレースタイルについて目を向けることができるが、ルールが第一」

 バルセロナはリーグ戦で9位に沈み、しばらくは大型補強ができない可能性が高いが、新指揮官は「財政面とピッチ上の両方で困難な時期であることは分かっている」と語った。

「だが、われわれは世界で最高のクラブであるバルサなのだから、選手たちには高い水準を持つよう求める」

 こうしたメッセージは、選手に厳しくするつもりであることを意味するかと問われたシャビ新監督は、「重要なのは厳しくすることではなく、秩序とルールだ。ルールは守らなければならない。控室にルールがあったとき、物事はうまくいった。ルールがなかったときはあまりうまくはいかなかった。規律ではなく秩序が大切」と答えた。

 シャビ新監督はまた、今夏バルセロナを退団したリオネル・メッシ(Lionel Messi)を指揮したかったかという質問を軽くあしらい、「(サミュエル・)エトー(Samuel Eto’o)やロナウジーニョ(Ronaldinho)ら、他の全ての選手もそう」と返答した。

「レオ(メッシの愛称)はメッセージを送ってくれて、私の幸運を願ってくれた。われわれは冗談を少し言い合いもした。彼の幸運も祈っているし、彼はクラブ史上最高の選手」

「だが彼はもういない。今いる選手と一緒に仕事をしなければならない」 (c)AFP