【11月8日 AFP】米国の政治家として初めてゲイ(男性同性愛者)であることを公表し、42年前に暗殺されたハーベイ・ミルク(Harvey Milk)氏の名前を冠した米海軍の給油艦が6日、披露された。

 全長227メートルの給油艦ハーベイ・ミルク(USNS Harvey Milk)の命名には、時代に合わせて変化しようとする米軍の姿勢が表れている。

 ミルク氏は、米軍が同性愛を禁止していた時代に海軍の潜水士として勤務。退役後は同性愛者であることを公言し、サンフランシスコ市管理委員会の委員に選出され、性的指向を理由とした差別を禁止する法律の成立に貢献した。

 しかし、公職に就いてからわずか数か月後の1978年、不満を抱いた元委員によってジョージ・モスコーニ(George Moscone)市長と共に射殺された。

 命名式は6日にサンディエゴ(San Diego)で行われた。

 カルロス・デル・トロ(Carlos Del Toro)海軍長官は海軍のプレスリリースで「ハーベイ・ミルク氏のような先達は、経歴や経験の多様性が、わが国の強さや決意に寄与することを教えてくれた」と評し、「この艦に乗る未来の水兵たちが、ミルク氏の人生と遺産に触発されることは間違いない」と述べている。

 映像は6日撮影・提供。(c)AFP