【11月7日 Xinhua News】中国江蘇省(Jiangsu)蘇州市(Suzhou)の陳玉珍(Chen YuZhen)さん(65)は退職後、動画投稿アプリ「抖音(Douyin)」とインターネット通販サイト「淘宝(タオバオ、Taobao)」、オンライン小説の三つをほぼ毎日楽しむようになった。それぞれに平均1~2時間を費やし、端末の操作にもすっかり慣れた。中国では近年、陳さんのようにネットを使いこなす高齢者が増えている。

 中国インターネット情報センター(CNNIC)がこのほど発表した「中国インターネット発展状況統計報告」によると、国内のネット利用者は今年6月時点で10億人を超え、うち50歳以上の割合は前年同月比5・2ポイント増の28・0%だった。

 デジタル化が加速する中、中国では高齢者層の取り込みが人口高齢化に対応する上で重要な課題となっている。具体的な取り組みの一つとして、インターネットの改良が進められている。

 政府の関連部門は改良に向けた施策を相次いで打ち出した。工業・情報化部は1月、高齢者や障害者がスマート技術を利用する際に困らないよう、115のサイトと43のスマートフォンアプリを優先的に改良すると発表した。

 ネット企業や各界も積極的な動きを見せ、「健康コード」(新型コロナウイルスの感染リスクを示す2次元バーコード)のシステムを高齢者向けに改めた。すでに全国で3千万人以上が利用している。テック企業やネット関連企業は地図やニュースなどのアプリに「簡易モード」を追加し、高齢者にも使いやすくした。

 江蘇省民政庁は同省の60歳以上の人口が1800万人を超え、高齢化が進んでいることを受け、高齢者のスマート機器利用を支援するサービスを推進。省都の南京市(Nanjing)では高齢者大学700校がスマホ講座を開設し、年間数万人に操作方法などを教えている。(c)Xinhua News/AFPBB News