【11月5日 AFP】フランス・パリの観光名所エッフェル塔(Eiffel Tower)の入場者数が、新型コロナウイルス流行前の水準を回復した。運営会社SETEが4日、AFPに明らかにした。パリではコロナ禍の影響で観光客が激減し、SETEの資金繰りは逼迫(ひっぱく)していた。

 10月の1日当たりの平均入場者数は2万人余りで、週末の入場者数は2019年を上回った。夏季は、エレベーターの使用人数が制限されていたため、1日の入場者数は1万3000人にとどまっていた。

 入場者増加の主な要因としては、米国や近隣の欧州諸国からの訪問者が戻ってきたことがある。米国人観光客は入場者全体の10%を占めた。

 だが、今年の年間入場者数は150万人と、2019年の620万人に届かない見通しで、深刻な資金繰り難が続いている。SETEは、昨年の5200万ユーロ(約68億円)の損失に加え、今年は7500万ユーロ(約98億円)の損失を計上すると予想している。

 一方、SETEによると、2024年のパリ五輪に向けて進められていた塔の塗り替え作業が再開された。作業は、過去の塗装に高濃度の有害な鉛が含まれていたため、中断されていた。

 エッフェル塔は、フランスが昨年3月中旬から6月下旬まで実施した1度目のロックダウン(都市封鎖)中に閉鎖された。さらに、昨年10月末から今年7月中旬までの約9か月間も再度閉鎖され、休業期間は第2次世界大戦(World War II)以降で最長となった。(c)AFP