【11月4日 CNS】1966年に日本で誕生して以来、多くのシリーズが続いている「ウルトラマン」は中国でも人気が高い。版権を所有する日本企業バンダイは、2020年度の版権関連収入が86億円となり、2021年度は95億円になる見込み。中国は最大の海外市場として収益に大きく貢献している。

 中国でウルトラマンと言えば、上海新創華文化発展有限公司(SCLA)、浙江卡游(Kayou)、華立科技(Wahlap)の3社に言及しなければならない。新創華はウルトラマンの国内版権代理店。浙江卡游はゲームカードを製造する会社。業界関係者によると、浙江卡游の企業価値は10億ドル(約1142億円)と評価され、急成長を遂げている。華立科技はもともとアミューズメント機器設備を製造する会社だったが、ウルトラマンカードとアミューズメント機器を組み合わせて業績を上げ、6月に上場した。2020年にはウルトラマンカードだけで4168万元(約7億4405万円)の売り上げがあり、粗利益率は30%に達する。

 ウルトラマンのコンテンツは小学生に人気のカードやおもちゃに加え、衣料品、コミック、ゲーム、舞台劇、小説、ラジオドラマなど多種多彩だ。

 上海東方電視台が「宇宙ヒーローウルトラマン」を放送したのは1993年で、ウルトラマンシリーズが正式に中国市場に参入した。2021年4月に動画共有サイト「ビリビリ動画(bilibili)」が「ウルトラマンティガ」の中国語版を配信したことで「ウルトラ熱」に再び火がついた。

 338元(約6033円)という高額のウルトラマンのカードセットが1000個以上売れ、カードの収集は小中学生だけでなく大人も熱心。おもちゃも人気で、 中国最大のECサイト天猫(Tmall)は「2020ファッションフィギュア」にウルトラマンの人形を選んだ。2020年初めからは多くの都市で舞台劇「ウルトラマン・宇宙の光」が上演され、80~580元(約1428~1万353円)のチケットはすぐに売り切れとなっている。

 創業わずか11年の華立科技は、ウルトラマンを通じて国内のゲームエンターテインメント業界をリードする企業に成長した。2018年にウルトラマンカードを使ってアニメ画面でバトルするゲーム機器を開発。ゲーム用カードの売り上げは2018年に1181万元(約2億1083万円)、2019年に3990万元(約7億1227万円)に達し、カード業界のトップに立った。2020年は4168万元(約7億4405万円)に増え、アニメコンテンツ関連製品の収益の60%以上を占める。(c)CNS-成都商報/JCM/AFPBB News