【11月4日 AFP】ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンを接種した英国人女性の間で、子宮頸(けい)がんの発症件数が激減したとの研究結果が、英医学誌「ランセット(The Lancet)」に掲載された。

 研究では、2008年に英イングランドでHPV予防接種プログラムが導入された前後で、子宮頸がんと前がん状態の発症率を比較した。すると、プログラム導入後に「大幅な減少」が見られ、特に対象年齢になってすぐに接種を受けた女性で著しく減少していることが分かった。

 論文は、「2価ワクチン『サーバリックス(Cervarix)』を用いたHPVワクチン接種の効果を示す初の直接的証拠」だと述べている。

 リスクの減少は対象年齢になってすぐの12〜13歳で接種した女性で最も顕著で、推計87%減だった。16〜18歳で受けた女性では、推計34%減少した。

 HPVは性行為で感染する一般的なウイルス。主にHPVへの感染で発症する子宮頸がんは、女性がかかる最も一般的ながんの一つだ。信頼性の高い安全なワクチンで予防でき、早期に発見・治療できれば完治が可能だが、毎年世界で数十万人が死亡している。

 世界保健機関(WHO)は昨年、子宮頸がん根絶のためのグローバル戦略を立ち上げた。(c)AFP