【11月3日 AFP】エチオピア政府は2日、北部ティグレ(Tigray)州の反政府勢力が首都アディスアベバに進軍しているとの懸念を受け、全土に非常事態を宣言し、首都の住民に近隣地域を守る準備をするよう命じた。

 同国ではここ数日、アビー・アハメド(Abiy Ahmed)政権と1年間にわたる武力闘争を続けている反政府勢力ティグレ人民解放戦線(TPLF)が複数の要衝を制圧したとの情報が出ていた。政府系のファナ放送会社(FBC)は、議会が24時間以内に非常事態宣言を承認する予定だとしているが、具体的な内容は明らかになっていない。

 アディスアベバ市当局は同日、これに先立ち、同市の住民500万人に対し、2日以内にすべての銃器を登録するよう義務付けると発表。市の平和・治安管理局のケネア・ヤデタ(Kenea Yadeta)局長は、「すべての住民は、地域の警察や法執行機関と協働する治安部隊と連携し、居住区の平和と安全を守るために区画や地区ごとに組織されなければならない」と宣言。治安任務のために若者を徴集するほか、家主やホテル所有者が入居者や宿泊客の身分証明書を確認するなど、「社会全体」が警戒の強化に協力する必要があるとした。

 TPLFはここ数日で、アディスアベバの北約400キロに位置するアムハラ(Amhara)州の要衝2都市を制圧したと主張。アディスアベバではこれまで戦闘が起きていないが、TPLFの幹部は同市への進軍の可能性も排除していない。政府はTPLFの支配地拡大を否定しているが、もし事実と確認されれば、戦況がTPLF側に大きく傾いたことになる。(c)AFP