【11月2日 AFP】英首相官邸は1日、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相が国連(UN)気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)開催地グラスゴーからロンドンに戻る際、列車ではなく飛行機を使用すると明らかにした。ジョンソン氏は同会議で、気候変動対策が不十分だと各国首脳を非難したばかり。

 飛行機、特にプライベートジェットは他の交通手段と比べて乗客1人当たりの二酸化炭素(CO2)排出量が極めて多く、環境団体に嫌悪されている。

 ジョンソン氏は先月31日夜、20か国・地域(G20)首脳会議に出席するために訪れていた伊ローマからチャーターしたエアバス(Airbus)機でグラスゴー入りした。首相官邸によると、2日にロンドンに戻る際も同機を使用する。

 ジョンソン氏はCOP26首脳級会合の冒頭で、世界の指導者が行動しなければ将来の世代は「われわれを許さない」と警告した。

 首相報道官はグラスゴーで記者会見し「首相が全国を移動できることが重要だ。厳しい時間的制約がある」と説明した。

 グラスゴー・ロンドン間の所要時間は飛行機で1時間~1時間半、列車で5時間以上となっている。

 報道官は「持続可能な燃料を使用しており、排出分は相殺される」と強調し、ジョンソン政権下の英国が温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする取り組みを先導していると主張した。

 他の首脳もジョンソン氏と同様、気候変動対策を呼び掛ける一方で交通手段をめぐって非難されている。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領はローマを訪れた際、燃費が悪いことで知られる耐爆仕様の専用車「ザ・ビースト(The Beast)」に乗り、車列は80台以上となった。その多くはG20首脳会談が行われている間、会場前でアイドリング状態で待機していた。他の首脳の車列も同様だった。(c)AFP