【11月2日 AFP】10月31日に行われた衆議院選挙で、連立与党を組む自民、公明両党が過半数ラインを大きく上回る議席を確保したことを受け、岸田文雄(Fumio Kishida)首相は1日、勝利を宣言した。新型コロナウイルスの流行で打撃を受けた経済を活性化させるとともに、アジアの炭素排出量を実質ゼロにする取り組みで「リーダーシップを発揮していく」と誓った。

 1か月前に就任した物腰柔らかな中道派の岸田首相は記者会見で、世界3位の規模を誇る日本経済の復興に向けた新たな経済対策を今月中に発表すると表明。また、就任後初の対面外交となる国連(UN)気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)への出席を控え、「わが国が2050年カーボンニュートラルの旗を堅持するのはもちろんのこと、アジア全体でのゼロエミッション化に向け、わが国がリーダーシップを発揮していく」と表明。菅義偉(Yoshihide Suga)前首相が設定した気候変動対策の目標を維持していく姿勢を示した。

 自民・公明両党は合わせて465議席中293議席を獲得。選挙前の議席数は305だった。岸田首相の支持率低迷と野党勢力の結束強化が向かい風となっていたものの、獲得議席数は出口調査の予想を上回った。

 岸田首相は「大変厳しい選挙だったが、引き続き自公政権の安定した政治のもとで、この国の未来をつくり上げていってほしいという民意が示されたことを、身が引き締まる思いで受け止めている」と述べた。(c)AFP/Shingo ITO, Kyoko HASEGAWA