【11月1日 AFP】メキシコの首都メキシコ市で10月31日、「死者の日(Day of the Dead)」のパレードが開催され、巨大な骸骨や色鮮やかな衣装を着た人々、マリアッチの音楽が街を埋め尽くした。昨年のパレードは、新型コロナウイルス流行の影響で中止された。

 地元市民や観光客数千人が、中心部ソカロ(Zocalo、中央広場)からスタートしたパレードを一目見ようと集まった。

 今年のパレードは、医療従事者と新型コロナの犠牲者にささげられた。

 人口1億2600万人のメキシコの新型コロナの死者数は28万8000人以上と、世界で死者数が最も多い国の一つとなっている。

 しかし、メキシコ市の成人の大半がワクチン接種を完了し、1日当たりの死者数も減少傾向にあるため、当局は今年のパレード開催を決めた。観光業の再活性化の狙いもある。

 東部ベラクルス(Veracruz)州から家族と来たコンチス・ガルシア(Conchis Garcia)さん(52)は「もちろん適切なコロナ対策は必要だけど、すばらしい気分だ」と語った。

 鮮やかな漫画風の骸骨の衣装で知られる死者の日は、メキシコ文化の象徴とされている。2003年には国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)の無形文化遺産に登録された。

 パレード自体は、2015年の映画『007/スペクター(SPECTRE)』の冒頭シーンをきっかけに、2016年に初開催された。

 映画では、英俳優ダニエル・クレイグ(Daniel Craig)さん演じるジェームズ・ボンド(James Bond)が、骸骨に扮(ふん)した人や骸骨の山車がパレードする中をすり抜け、悪役を追い掛けた。(c)AFP