【11月1日 Xinhua News】中国初の二酸化炭素(CO2)を排出しない水素燃料電池ハイブリッド機関車が29日、遼寧省(Liaoning)錦州市(Jinzhou)の錦州港と内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)シリンゴル盟西ウジムチン旗の白音華鉱区を結ぶ「錦白鉄道」で試運転を行った。

 水素燃料電池機関車は同自治区赤峰市にある大板東駅を出発、実用化に向けて大きな一歩を踏み出した。水素を燃料とする燃料電池とリチウムイオン電池を電源とするハイブリッド車両で、中国の電力大手、国家電力投資集団(SPIC)傘下の国家電投集団内蒙古能源(エネルギー)、同じく傘下の国家電投集団氫能(水素エネルギー)科技発展、鉄道車両大手、中国中車傘下の中車大同電力機車の3社が共同で開発。基幹技術から部品、付属品に至るまで完全な国産化を実現した。試算によると、水素燃料電池機関車の導入後、錦白鉄道では年間約9万6千トンのCO2排出を削減できる。

 中車大同電力汽車の李霊濤(Li Lingtao)副チーフエンジニアによると、今回試運転を行った水素燃料電池機関車は、設計時速80キロで、水素満載時の航続時間は最大24時間半。平坦な直線路線での最大けん引重量は5千トンを超える。既存の線路を変える必要がなく、維持費用も比較的安価なため、大型工場や鉱山、港湾などさまざまな場所で幅広い用途での活用が期待される。(c)Xinhua News/AFPBB News