【10月29日 AFP】タジキスタン当局者は28日、中国の支援を受け、アフガニスタンとの国境近くに警察施設を建設することを明らかにした。中国とタジクは、アフガンで実権を掌握したイスラム主義組織タリバン(Taliban)が過激派組織を抑え続けることができるかを懸念している。

 旧ソ連構成国だったタジクの南東部には既に中国の基地が1か所あるとされており、新基地の建設は両国の安全保障関係の深まりを示している。

 匿名でAFPの電話取材に応じたタジク議会の報道官によると、同国下院は、山岳地帯のゴルノバダフシャン(Gorno-Badakhshan)自治州のイシュカシム(Ishkashim)地区に基地を建設する計画を承認した。

 報道官は「建設費用は全額、中国側が負担する。完成後、施設はタジク(警察)に引き渡される」と説明した。中国の負担額は850万ドル(約9億7000万円)という。

 中国外務省はこの件に関するAFPの取材に対し、「中央アジアに中国の基地は一切ないと断言する」と回答した。

 中国はタリバンと友好関係を築こうとする一方、アフガンに潜伏しているイスラム系少数民族ウイグル人の分離独立派が国境を越えて新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)に侵入して来ないよう取り締まりを求めている。

 他の中央アジア諸国はタリバン政権と協力関係を築いているが、タジクは強硬派のタリバンに反発し、直接の協議を避けている。(c)AFP