【10月29日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は28日、米経済の改革に向けた歳出法案の新たな枠組みを発表した。歳出法案をめぐっては与党・民主党内で数か月にわたり議論が紛糾。バイデン氏は新たな枠組みは「歴史的」なもので、党内の支持を得られることを確信していると述べ、反対派に圧力をかけた。

 バイデン氏は、「より良い再建(Build Back Better)」と銘打った歳出法案の議会通過を目指している。同氏は国民への公約として、同法案を通じた社会保障の拡充や環境対策により、より平等で環境に優しい社会をつくるとしており、実現すれば内政面での大きな功績となる。

 バイデン氏は、ローマ教皇との面会や20か国・地域(G20)首脳会議に向けてイタリアに出発する直前、歳出の規模を当初の3兆5000億ドル(約400兆円)から1兆7500億ドル(約200兆円)に半減させると表明。民主党幹部との会談後、国民に向け演説し、「歴史的な経済的枠組みができた」と語った。

 教育、医療、育児支援、再生可能エネルギー分野の改革を盛り込んだ「より良い再建」法案は、道路や橋などのインフラに1兆2000億ドル(約140兆円)を投じる別の歳出法案と抱き合わせる形となっている。

 民主党内の左派は、自分たちの優先事項が「より良い再建」法案に盛り込まれない限りインフラ法案は支持しないと主張。インフラ法案をめぐる採決は過去6週間にわたり延期が繰り返されてきた。バイデン氏側につくナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長は記者会見で、インフラ法案の採決を31日夜までに行いたいと述べている。(c)AFP