【10月29日 AFP】世界最大の温室効果ガス排出国である中国は28日、新たな排出量削減目標を国連(UN)に提出した。2030年までに排出量を減少に転じさせるとしたほか、2060年までに炭素排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を達成し、排出量を65%以上削減する計画を改めて示した。

 新目標は、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)を3日後に控える中、国連の気候変動関連ウェブサイトで公開された。世界で人間活動により生じる温室効果ガスの4分の1以上を排出する中国は昨年、2060年ごろまでのカーボンニュートラル達成を目指すと宣言していた。

 地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」では、「国が決定する貢献(NDC)」と呼ばれる温室効果ガス削減目標を各国が5年ごとに提出することが求められている。NDCの提出が遅れていた中国が動いたことで、英グラスゴーで31日に開幕するCOP26が勢いを得る可能性がある。

 国連によると、世界の気温上昇を1.5度以内に抑えることを目指すパリ協定の目標達成には、2030年までに温室効果ガスの排出量を55%削減する必要がある。国連環境計画(UNEP)は今週、中国を除く各国がこれまでに打ち出した計画をもってしても、世界の気温は今世紀中に2.7度上昇するとの見通しを示していた。(c)AFP