【10月28日 AFP】インド国防省は、核弾頭を搭載可能で射程距離5000キロの弾道ミサイルの発射実験を27日に行ったと発表した。現地メディアは、国境紛争が続く中国に対する「強い警告」だと報じている。

 実験では、ミサイル「アグニ5(Agni-5)」が同日夜、インド東岸沖のアブドゥルカラム島(Abdul Kalam Island)から発射され、ベンガル湾(Bay of Bengal)に落下した。

 国防省は実験は成功したとした上で、「『(核兵器の)先制不使用』方針を支える、『信頼できる最小限の抑止力』を保持するというインドの国策に沿っている」とする声明を出した。

 全長17メートルのアグニ5は、これまでにも数回試射されたことはあったが、いずれも夜間ではなかった。また現地メディアは、時期的にみて中国政府に向けた警告だったと報じた。

 昨年6月、ヒマラヤ山脈(Himalayas)の国境地帯でインド、中国両国の兵士が衝突し、インド軍兵士20人が死亡して以来、核兵器を保有する両国の緊張は高まっている。一時は、国境地帯へ数万人規模の増派も行われた。

 インドはここ数年、米国、日本、オーストラリアとの安全保障協力の枠組み、通称「クアッド(Quad)」をはじめ、各国との防衛協力を強化している。(c)AFP