【10月28日 AFP】インドで右派集団がイスラム教徒やモスク(イスラム礼拝所)を襲撃する事件が相次ぎ、北東部トリプラ(Tripura)州では27日、治安部隊がモスクの警備に当たった。襲撃は、隣国バングラデシュでヒンズー教徒が攻撃されたことへの報復とみられている。

 トリプラ州と国境を接し、イスラム教徒が多数派を占めるバングラデシュでは今月、ヒンズー教の祭典で神像の膝の上にイスラム教の聖典コーラン(Koran)が置かれた映像が拡散したことでヒンズー教寺院が襲撃され、7人が死亡した。暴動は12の県に広がった。

 現在はインド北部で緊張が最も高まっており、トリプラ州当局は4人以上の集会を禁止し、ソーシャルメディア上の「挑発的な投稿」に警告を出している。

 トリプラ州では右派団体「世界ヒンズー評議会(VHP)」が開催した数百人規模の集会が、襲撃や騒乱に発展。少なくとも4か所のモスクが破壊され、イスラム教徒の店や家が略奪された。

 トリプラ州議会では、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相が所属するヒンズー至上主義のインド人民党(BJP)が最大勢力となっている。

 インドで宗教的少数派となるイスラム教徒コミュニティーの指導部は、2014年にBJPが政権を握って以降、イスラム教徒への襲撃が増えていると語っている。(c)AFP