【10月28日 AFP】米国務省は27日、性別欄に「X」と記載されたパスポート(旅券)を初めて発給したと発表した。性別が男女の枠にとらわれない人々にとって画期的な措置となる。

 同省によると、性別に「X」を選択できる制度はパスポートに加え、海外在住の米国民に発行する出生証明書にも適用され、2022年初めまでに広く利用可能となる。

 同省のネッド・プライス(Ned Price)報道官は声明で、「今回のパスポート発給に際し、LGBTQI+(性的少数者)の人々を含むすべての人の自由、尊厳、平等の促進に対する国務省の取り組みを改めて約束したい」と言明。性自認をめぐる差別に直面する人々に対する支援を表明した。

 同省はまた、米国籍保持者がパスポートに記載する性別を自ら選択することを許可した。これまでは、出生証明書などの書類と異なる性別を記載するためには医学的な証明が必要とされていた。

 英人権団体「平等と包摂のための雇用者ネットワーク(Employers Network for Equality and Inclusion)」によると、米国の他にパスポートの性別欄に「X」や「その他」の選択肢を用意している国は少なくとも11か国に上る。

 発表前日の26日は、性分化疾患(DSD)への理解を広める「インターセックス啓蒙(けいもう)デー」だった。(c)AFP