【10月27日 People’s Daily】ゲノム鑑定された純血種のマクジャクの人工個体群の次世代の繁殖・孵化に成功し、ウンナンシシバナザルの人工個体群は三世代の繁殖に成功した。近年、雲南省(Yunnan)の生物多様性保全活動は顕著な成果を上げている。

 雲南省は既に世界で2番目の、また、アジアでは最大の野生遺伝資源バンク——中国西南野生生物遺伝資源バンクを建設した。中国で率先して微小個体群野生植物保護体系の研究を展開する。「本土種植物フルカバー保護計画」を組織・推進し、中国の本土種植物のほぼ2/3の評価と野外調査を完了した。

 山を登り、峰を越え、風雨や日光にさらされ、蚊や虫に刺される。これが中国科学院昆明植物研究所の王立松(Wang Lisong)研究員の仕事の日常だ。毎年半年以上かけて野外で標本を採集し、長年にわたって追跡し続けた結果、王研究員は地衣類の新種36種を発見し、DNA分子材料8200余りを完成させた。2000種近い地衣類の経緯を把握し、中国最大の地衣類生物資源データベース構築のための基礎を打ち立てた。

 2017年、同研究所は国内外の科学研究チームと共同で、新種のテナガザル、高黎貢(Gaoligong)フーロックテナガザルを発見し、命名した。「雲南省新種新記録種リスト(1992—2020)」の統計によると、1992年から2020年にかけて、雲南省で発見された新種は累計3718種で、そのうち新種は2519種、新記録種は1199種だ。

 今年8月28日、生後6日の子象がへそに怪我をして母象に捨てられた。その後、人々が子象をシーサパンナアジア象遺伝資源繁殖・救助センターに連れ帰った。2008年に設立された同センターは、これまでに24頭の野生アジア象の救助に成功し、9頭の子象の繁殖に成功した。その100%が生き残った。

 長年の模索と実践を経て、アジア象、ウンナンシシバナザル、カオヴィットカンムリテナガザルなど多種の絶滅の危機に瀕している希少野生動物個体群は、安定した成長傾向を示している。

 2007年、中国初の野生生物遺伝資源バンクが中国科学院昆明植物研究所に建設された。10年余りの建設を経て、中国西南野生生物遺伝資源バンクはすでに世界で2番目の、また、アジアでは最大の野生遺伝資源バンクとなった。2020年12月の時点で、同資源バンクには植物の種子が1万601種・8万5046点保存されており、中国の種子植物種数の36%を占めている。

 同研究所の植物化学と西部植物資源持続利用国家重点実験室は、201科589属1271種の植物に対し系統的な化学成分研究を行い、新たな天然物が1万個を超えると発表した。大量の植物から成分を抽出して開発された薬品がすでに販売が開始され、実験室はすでに国際の植物化学分野を先導しつつある研究センターの一つとなった。(c)People’s Daily/AFPBB News