【10月27日 AFP】東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議が26日、オンライン形式で開幕した。ミャンマーの軍事政権は、国軍トップの出席が認められなかったことから欠席。クーデターによる権力掌握から9か月がたつ中、孤立を深めている。

 3日間にわたる会議には、ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領や中国の李克強(Li Keqiang)首相も出席。初日の協議では、2月のクーデターとそれに続く反体制派への激しい弾圧で混乱が続くミャンマーが中心的議題となった。

 ミャンマーの軍事政権は、クーデターにより文民政権トップの座を追われたアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)氏(76)と特使との面会を拒絶。ASEANはこれを受け、軍事政権トップのミン・アウン・フライン(Min Aung Hlaing)国軍総司令官を首脳会議から排除し、代わりに外務省高官を招待していた。

 ミャンマーでの短い民主主義統治はクーデターにより崩壊。ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞したスー・チー氏は、軍事政権により一連の罪で裁判にかけられており、数十年の禁錮刑を言い渡される可能性がある。情報筋がAFPに語ったところによると、26日に非公開で開かれた審理では、スー・チー氏が初めて証言したが、証言の内容は明らかにされていない。

 ASEANは穏健な組織としてみられることが多く、ミャンマー軍事政権トップの首脳会議からの排除は異例の措置となった。会議で演説した各加盟国の代表は、ミャンマーの軍事政権を非難。ASEANに対する非協力的姿勢や、治安回復の遅れを批判した。米ホワイトハウス(White House)によれば、バイデン氏もミャンマーでのクーデターと「恐ろしい暴力」を非難した。(c)AFP