【10月27日 Xinhua News】スイスの金融大手クレディ・スイスはこのほど発表したリポートで、中国での新エネルギー車(NEV)販売台数の今後10年の伸び率は年平均25%に上るとの予測を示した。

 リポートは、中国が2060年までにカーボンニュートラル(炭素中立)を実現させるためには、環境配慮型のインフラ整備を中心とするグリーンプロジェクトに今後30年で約100兆~130兆元(1元=約18円)を投じる必要があると試算。こうした大規模な投資が中国経済の新たな成長エンジンとなり、新たなビジネスチャンスと質の高い雇用の創出につながるとの見方を示した。

 交通輸送業界では、ガソリン車やディーゼル車が徐々に姿を消していき、NEVと再生可能エネルギーが主な受益者になると予想。中国は既に世界最大のNEV市場となり、世界シェアが38%、販売台数でも首位に立つとし、自動車産業は中国の国民経済にとって重要な戦略的意義を持つと指摘した。

 リポートはまた、環境配慮への取り組みが世界的に広がる中、太陽エネルギーや風力エネルギー、電気自動車(EV)、EV用電池のサプライチェーン(供給網)で主導的地位にある中国が受益者になる可能性があるとの見通しを示した。クレディ・スイスの中国市場調査を担う「瑞啓中国(CQi)」の推計によると、中国企業のEV販売台数は20年に世界全体の42・2%、車載電池搭載量は48・3%を占めた。(c)Xinhua News/AFPBB News