【10月26日 AFP】来年2月に中国で開催される北京冬季五輪は、27日に開幕まで100日となるが、ボイコットの声や新型コロナウイルスの再拡大によってその準備が暗雲に覆われている。

 夏季と冬季の五輪が両方開催される初めての都市となる北京では、本番が近づく中で前週に聖火到着の式典が質素に行われた。

 厳しく統制された国内において開催に異議を唱える声は特に出ていないものの、ギリシャで行われた先日の聖火の採火式では、中国チベット自治区(Tibet Autonomous Region)の旗と「ノー・ジェノサイド(集団殺害)」と書かれた横断幕を掲げる少数のデモ隊に、妨害される一幕があった。

 開幕まで100日の節目に計画されているイベントについて、大会組織委員会はこれまで詳細は何も明らかにしておらず、「ゼロコロナ」戦略を維持している中国政府がウイルスの根絶を急ぐ中で、祝典は小規模なものになるとみられている。

 31日に開催予定だった北京マラソン(Beijing Marathon)も延期された中国では、北京市民に対して市外への不要な旅行を控えるように促されている中で、25日には本土での新規感染者が39人に上った。

 2019年末に新型コロナが出現した同国は、大規模な検査をはじめ積極的なロックダウン(都市封鎖)や広範囲に及ぶ国境封鎖によって、感染拡大を防いできた。

 コロナ禍で延期された東京五輪から半年後の開催となる北京冬季五輪は、ウイルスの感染を防止するべく厳格な「クローズドループ」のバブル内で行われることになっている。

 約2900人の選手団はワクチン接種を完了、もしくは北京到着後から21日間の隔離を義務付けられている。また、東京五輪と違って有観客で開催されることになっているが、チケット販売の対象となるのは中国で生活している人々に限られる。

 中国にとって2008年の北京五輪が国際デビューの場と見なされるとすれば、2022年大会は同国の人口約4分の1に相当する約3億の国民をウインタースポーツにいざなおうとする政策の一環になる。

 2022年大会の組織委幹部は前週、「中国特有のユニークなフォーマットとメソッドを通じて、世界中の人々がわが国の活気あるスポーツ文化を体験することを願っているとともに、五輪への参加と支援をしてくれる中国の皆さんの熱意に感謝している」と述べた。

 来年2月4日から20日まで開催される北京冬季五輪は、開会式と閉会式に使用される国立競技場、通称「鳥の巣(Bird's Nest)」を含め、2008年大会の会場の一部が使用されることになっている。(c)AFP