【10月31日 AFP】ブラジルの最大都市サンパウロ(Sao Paulo)でこのほど、「ムンダノ(Mundano)」の名前で活動しているストリートアーティスト(36)が気候変動への関心を高めるために巨大な壁画を公開した。材料は、火災に見舞われたアマゾン(Amazon)の熱帯雨林などから集めた灰だ。

 1000平方メートルの巨大な壁画が描かれているのは、サンパウロのパウリスタ大通り(Avenida Paulista)に近い建物。

 題名は「The Forest Firefighter(森林火災と闘う消防士)」で、燃え盛る山火事を果敢に消そうとするものの、なすすべもなく立ち尽くした消防士が描かれている。モデルは、ボランティアで消防活動に参加している男性だ。

 ムンダノ氏は材料となる灰を、火災が起きたアマゾンのジャングル、パンタナル(Pantanal)湿地帯、大西洋岸の森林、セラード(Cerrado)サバンナ地帯から200キロ集めた。

 ムンダノ氏はサンパウロ市民に対し、壁画を見ることで、ブラジルの貴重な生物圏が大規模な火災で毎年破壊されている現実に目を向けてほしいと願っている。

「誰も山火事を自分の目で見ていないし、火事は非常に遠く離れたアマゾンで起きています。灰をここまで持ってきた理由は、山火事への関心をもっと高めてもらうためです」と話した。(c)AFP/Lujan Scarpinelli