【10月25日 Xinhua News】中国科学技術大学(安徽省合肥市)の梁海偉(Liang Haiwei)教授と林岳(Lin Yue)博士、北京航空航天大学の水江瀾(Shui Jianglan)教授らがこのほど、独自の高温「硫黄固体ゲル」合成法を用いて高性能の白金合金触媒を開発した。水素燃料電池製造コストを大幅に削減し、商用化につながると期待されている。研究成果は22日、国際的学術誌「サイエンス」に掲載された。

 水素燃料電池は、電池の陽極と陰極で水素と酸素がそれぞれ化学反応を起こし、化学エネルギーを電気エネルギーに変える。このプロセスで大量の白金触媒を使用するため、水素燃料電池は非常に高価になる。

 梁氏らのチームは、高温の「硫黄固体ゲル」合成法によって、硫黄原子と白金原子の強い原子間相互作用を利用し、46種類の白金合金触媒の製造に成功した。うち白金-コバルト合金触媒は、約10分の1の白金で、市販の白金-炭素触媒と同等の効果を持つ水素燃料電池性能を実現する。

 同チームは5年以上かけてこの新技術を開発した。梁氏は「白金は水素燃料電池のコストの約40%を占めており、白金使用量を減らすことで、電池の価格を大幅に下げるのがわれわれの目標だ」と述べ、新技術によるソリューションが目標達成の基礎を築いたが、実用化にはまだいくつもの課題があり、現在、企業と協力して開発を進めていると説明した。(c)Xinhua News/AFPBB News