【10月23日 AFP】コロンビアの憲法裁判所は22日、性暴力の被害者が「加害者」をソーシャルメディアで公に糾弾することを認める判断を下した。

 憲法裁は、性暴力の加害者とされる人物の写真に「#acosadorsexual(性暴力加害者)」というハッシュタグを付けたソーシャルメディアへの投稿数十件について、掲載継続を認めた。

 憲法裁は、加害者とされる人物が投稿によって被る恐れのある損害は、被害者が訴えられることを恐れて沈黙した場合に被る損害よりも小さいと判断した。

 今回の裁判は、性暴力を公に糾弾された男性が、パートナーの女性を名誉毀損(きそん)で訴えたもの。2人は大学の同級生だった。

 女性は、アルコールや向精神薬を摂取した後の「心神耗弱状態」に付け込まれ、男性に性的暴行を受けたとフェイスブック(Facebook)に投稿した。

 男性は投稿内容を否定し、同意の上での性行為だったと主張。名誉と信用を傷つけられたとして、投稿の削除と記載内容の撤回、公の謝罪を求めて提訴した。

 憲法裁は男性の訴えを退け、「犯罪の被害者には、自身が被害を受けた事件について自由かつ公に糾弾する権利がある」と判断。「性暴力の被害を受けたと主張する女性の状況」は「特別な」保護に値するとした。

 前審は2020年6月、男性の訴えを認める判決を下していたが、今回の判決で覆された。(c)AFP