【10月22日 AFP】インドで21日、新型コロナウイルスワクチン接種が10億回に達した。同国は今年前半に感染が拡大し医療制度が崩壊寸前となった。

 ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は「インドの科学の勝利」だと称賛した。だが、当局は新たな流行の波への警戒を続けている。

 政府の統計によると、人口13億人のインドでは成人の4分の3が1回目の接種を終え、30%が接種を完了している。人口の約40%を占める18歳未満数億人については、1回目の接種も始まっていない。

 10億回は279日で達成した。ワクチン不足により、国内にある世界最大のワクチン製造会社は輸出を数か月間中止した。

 インドでは、今年4月半ばから6月半ばまで続いた感染拡大で20万人以上が死亡。変異株「デルタ株」の流行により、病院や火葬場が逼迫(ひっぱく)した。

 感染者数はその後急減し、現在では1日当たり2万人を下回っており、生活も元に戻りつつある。

 最も影響を受けた都市の一つムンバイでは先日、流行開始以来初めて死者ゼロとなった。

 インドよりも接種回数が多いのは、23億回の接種が行われたとされる中国のみとなっている。(c)AFP/Aishwarya KUMAR