【10月22日 AFP】ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相は22日、新型コロナウイルス感染対策のロックダウン(都市封鎖)措置解除に向け、ワクチン接種率90%を目安とする方針を発表した。

 アーダーン氏は、新型ウイルスの根絶からワクチン接種率の向上を通じて感染拡大を最小限に抑えることに目標を転換したと説明した。ワクチン接種が完了した市民は、外出制限や休業命令の対象外になる。

 同氏は「ワクチン接種済みの人々にいつまでも家にいるよう要請することはできない」と話した。

 NZでは接種対象者のうち86%が1回以上の接種を、68%が2回目を済ませている。

 アーダーン氏は新型ウイルスの流行当初、厳格なロックダウンや厳しい入国制限などにより封じ込めたと称賛されていた。

 人口500万人のNZでは、感染者ゼロを目指す「ゼロコロナ」方針により、死者はわずか28人に抑えられ、長期にわたり以前とほぼ変わらない日常生活が保たれていた。

 しかし、オークランド(Auckland)で8月に確認された感染力の強い変異株「デルタ株」の流行を受け、ゼロコロナ政策は断念された。

 アーダーン氏は、9週間にわたり厳格なロックダウン下に置かれているオークランド市民約200万人にとって、新方針は希望になるだろうと強調した。

「夏を楽しんだり、バーやレストランに行ったりしたいならワクチン接種を」と呼び掛けた。(c)AFP